★樹木医業務
さめ肌胴枯れ病
最近、サクラの葉が小さくなってしなびたような感じだったり、
枝が枯れてしまっているのを、よく見かけます。
「葉が小さくなっている状態」
遠くから見ても、ちょっと変だなとわかります。
近づくと、こんな感じです。
場合によっては、丸々枯れてしまっていることもあります。
植えたばかりの木も枯れてしまうことがあります。
このような枝枯れには、いろいろな原因がありますが「さめ肌胴枯れ病」という
病気の可能性があります、
さめ肌胴枯病の病原菌はBotryosphaeria dothidea というカビの仲間です。
枯れた枝を見ると、樹皮に黒いツブツブが見えます。
(下の写真の、皮目のそばに見える黒い所です)
このツブツブは「分生子殻」といい、ここから「分生子」という
胞子のようなものが出されて、病気が広がっていきます。
分生子は、梅雨時などに、水滴に交じってか広がっていくことが多いのですが、
「コスカシバ」という蛾も、さめ肌胴枯れ病を、媒介していると考えられています。
「コスカシバ」は、サクラの樹皮に卵を産むのですが、孵った幼虫は、
樹皮の下に潜り込み、材を食べていきます。
幼虫が大きくなってくると、穿孔痕からヤニが出て来て、飴玉のように
固まってきます。
以前、「さめ肌胴枯れ柄病」の診断で診たサクラは、「コスカシバ」の
穿孔痕だらけでした。
コスカシバは低い所を飛び、地面から1mくらいのところにしか、産卵しないという人も
いますが、実際は10mくらいの哨端の枝にも、産卵します。
「木の上の方に見られた穿孔痕」
「枝に見られた、こぶ病」
サクラはいろいろな病気にかかりますが、枝がこぶ状になる「こぶ病」も
よく見かけますが、こぶのそばにも、コスカシバの穿孔痕が見られます。
この病気も「コスカシバ」による媒介の可能性があります。
さめ肌胴枯れ病の防除には、「枯れ枝の除去」、「殺菌剤の散布」が必要ですが、
大きな木だと、殺菌剤の散布は容易ではありません。
そこで、媒介すると思われる「コスカシバ」の防除に取り組んでみました。
「スカシバコン」という針金みたいなものを、枝先に結び付けました。
このスカシバコンには、コスカシバコンの産卵を攪乱するフェロモン剤が入っています。
難しい説明は省きますが、これを取り付けると、少しずつコスカシバが
減って来るみたいです。
コスカシバの成虫は7月末から、9月頃まで、サクラの周りをフワフワと飛んでいるのですが、
今年はまだ写真が撮れていません。
撮れたら、追加していきます。
《 裕 》
世田谷の植木屋 さくら庭園
樹木医 川瀬 裕一郎
枝が枯れてしまっているのを、よく見かけます。
「葉が小さくなっている状態」
遠くから見ても、ちょっと変だなとわかります。
近づくと、こんな感じです。
場合によっては、丸々枯れてしまっていることもあります。
植えたばかりの木も枯れてしまうことがあります。
このような枝枯れには、いろいろな原因がありますが「さめ肌胴枯れ病」という
病気の可能性があります、
さめ肌胴枯病の病原菌はBotryosphaeria dothidea というカビの仲間です。
枯れた枝を見ると、樹皮に黒いツブツブが見えます。
(下の写真の、皮目のそばに見える黒い所です)
このツブツブは「分生子殻」といい、ここから「分生子」という
胞子のようなものが出されて、病気が広がっていきます。
分生子は、梅雨時などに、水滴に交じってか広がっていくことが多いのですが、
「コスカシバ」という蛾も、さめ肌胴枯れ病を、媒介していると考えられています。
「コスカシバ」は、サクラの樹皮に卵を産むのですが、孵った幼虫は、
樹皮の下に潜り込み、材を食べていきます。
幼虫が大きくなってくると、穿孔痕からヤニが出て来て、飴玉のように
固まってきます。
以前、「さめ肌胴枯れ柄病」の診断で診たサクラは、「コスカシバ」の
穿孔痕だらけでした。
コスカシバは低い所を飛び、地面から1mくらいのところにしか、産卵しないという人も
いますが、実際は10mくらいの哨端の枝にも、産卵します。
「木の上の方に見られた穿孔痕」
「枝に見られた、こぶ病」
サクラはいろいろな病気にかかりますが、枝がこぶ状になる「こぶ病」も
よく見かけますが、こぶのそばにも、コスカシバの穿孔痕が見られます。
この病気も「コスカシバ」による媒介の可能性があります。
さめ肌胴枯れ病の防除には、「枯れ枝の除去」、「殺菌剤の散布」が必要ですが、
大きな木だと、殺菌剤の散布は容易ではありません。
そこで、媒介すると思われる「コスカシバ」の防除に取り組んでみました。
「スカシバコン」という針金みたいなものを、枝先に結び付けました。
このスカシバコンには、コスカシバコンの産卵を攪乱するフェロモン剤が入っています。
難しい説明は省きますが、これを取り付けると、少しずつコスカシバが
減って来るみたいです。
コスカシバの成虫は7月末から、9月頃まで、サクラの周りをフワフワと飛んでいるのですが、
今年はまだ写真が撮れていません。
撮れたら、追加していきます。
《 裕 》
世田谷の植木屋 さくら庭園
樹木医 川瀬 裕一郎
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