★樹木医業務
カシノナガキクイムシ
全国的に、クヌギやコナラが急激に枯れる「ナラ枯れ」が広まっています。
世田谷でもおととしあたりから急激に増えています。
木の根元に細かい木くずがたまり、根元から幹にかけて3mmくらいのちいさな
孔がたくさんあれば、間違いないと言いていいほど「ナラ枯れ」です。
防除方法がいろいろと試されてはいるのですが、完全に防除する方法は
ないようです。
この公園でも試験的にウッドキングという薬剤を注入する方法をとっています。
しかし20本ほどのクヌギやコナラの一本だけが、ウッドキングを施用したのにも
関わらず下枝が枯れてしまいました。
上の方はまだ青々としているので、枯枝だけ取り、様子を見ることに
なりました。
幹に小さな穴がたくさんあいて、地面にはものすごい量の木くずがたまっています。
地面から3mくらいまで被害が出ると言われているのですが、
この木では7mくらいまで木くずが出ています。
この「ナラ枯れ」の原因は、小さな虫です。
木くずを出しているのは、「カシノナガキクイムシ」という5mmくらいのキクイムシです。
木の根元を見ていると、時々、ふわーっと飛んでくるので簡単に手で捕まえられます。
このキクイムシがマスアタックと言って、大量に飛来し、たくさん穴を開けて中に長い
トンネルを掘るのが原因の第一です。
トンネルの中で産卵し、帰った子供たちは親と一緒にさらに孔を掘り進めます。
さらに、このキクイムシは「養菌性キクイムシ」と言って菌類を主食にしています。
自分が食べる菌類を、トンネルの中で育てるのですが、何種類かある菌類のうちで
「ナラ菌」と言われる糸状菌が菌糸を張り巡らし、樹木が水を上げる導管をつまらせて
しまうので、急激に枯れてしまいます。
クヌギ、コナラの他、シラカシ、アカガシ、スダジイ、マテバシイなども枯れてしまいます。
これが、その「カシノナガキクイムシ」です。
翅の角が少し丸いのが、メス。
翅の角が尖っているのが、オスです。
今日はここまで・・・
またそのうち続きを書いていきますね。
「区立桜丘すみれば自然庭園で 」
《 裕 》
世田谷の植木屋 さくら庭園
樹木医 川瀬 裕一郎
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