★施工例
桜の根回し

皆さんは、「春といえば?」と聞かれると何を思い浮かべますか?
そう!
「サクラ」ですね!!!
というわけで今回のテーマは、先日作業にしたサクラの「根回し」作業についてです。

サクラに限らず、樹木を移植するにはかなりの時間と労力を要します。
事前準備を何もせずに、掘取りして別の場所に引越しさせるという作業だけでは、
引越し先で元気に新生活を送るのは不可能に近く、枯れてしまうことが往々にしてあります。
植物は根(細根)から水分、養分を吸収しています。
水分と養分を常に求める樹木たちは、根を下にも横にも何mも伸ばし続けます。
そのすべてをキレイに掘り起こして、同じサイズが入る穴を引越し先にも掘る、なんてことは非現実的です。
なるべくコンパクト移動したいけど、そのためには根の大部分を切り落とさなければなりません・・・
水分を吸収する根がなければ新たな環境に適応する力もつけられず、せっかく引っ越しをしても定着できずに枯れてしまいます。
そうならないために必要な作業が「根回し」です。

このサクラの木は2027年国際園芸博覧会に使われる予定の大切な樹木です。
現在は、茨城県結城市の圃場ですくすく育っています。
枯らすわけにはいきませんので堀取前の準備として「林試移植法(林試A法)」を採用しました。

いきなり掘ったあとの写真です。
バランスがとれるように四方の太い根は残します。
中心の土がついている範囲(根鉢)でできる限り新たな細根を形成してもらえるように、
環状剥皮(かんじょうはくひ)という作業を行っています。

環状剥皮をし、殺菌剤と発根促進剤を塗布した状態の根です。
長さ15~20cm程度に、樹皮と形成層を完全に剥ぎ取っています。
見えない裏側は鏡を使って丁寧に取り除きます。
樹皮と形成層が残っている幹側には、
葉で作られた糖分が剥皮により根の先端まで行かず、剥皮した幹側での発根を促し、
先端の根もすぐには死なずに水分や養分を吸収し続けるため、移植時の葉の剪定量を著しく軽減できます。
また、太い根を支持根として残せるので、養生期間中の支柱も簡易的なもので大丈夫です。
この時、形成層が少しでも残っていると
その部分に新たな樹皮が形成されてつながってしまい、剥皮の効果がなくなります。


人力で掘っては剥ぎ、掘っては剥ぎ
最後に、畦シートで根鉢の底をぐるっと一巻きにし、
シートと根鉢との隙間にバーク堆肥を埋め戻し、たっぷり灌水を行います。

大雑把な説明になってしまいましたが、移植前の工程は以上です。
ここから半年以上かけて、新たな細根が出てくるのを待ちます。
この作業を実施したのは2026年の2月ですが、
実際に引っ越しを行うのはまだまだ先です。
うまく発根してくれることを祈ります。
世田谷の植木屋
さくら庭園
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